では、お元気で

 エルサレムでの使徒会議の結果を伝えるために、パウロとバルナバは再びアンティオキアへ派遣されます。その時に手紙も携えて派遣されました。パウロとバルナバに加えてユダとシラスも加えられて派遣されます。この時の手紙の内容は会議の決定を伝えると同時に励ましのエールが込められたものでした。この言葉を受けたアンティオキアの教会の人々は励ましを受けて喜びます。聖書の言葉には、それを受けとる者が励まされ、奮い立たされる力が備わっています。そしてそのような言葉を携えて派遣された者たちにも、会う人を励ます力が備わるのです。

 教会でも私たちは説教を通して神さまのメッセージを聞きます。しかしそれはただの情報ではありません。もしそうだとしたら、何もわざわざ人を介さなくても良いでしょう。それこそAIにでも伝えてもらえば良いのです。しかし神さまはあえて人間を通してメッセージをお伝えになるようになさいました。それは聖霊なる神さまが私たちの内に働いて、私たちの間にキリストの平和を現実となさろうとしているからなのです。

 「では、お元気で」という何気ない挨拶にも万感の思いが込められます。礼拝の最後には派遣の祝祷がなされます。日本では4月となり、新年度を迎えました。新たな歩みを、主なる神さまからのエールを受けて力強く始めて行けますように。

中村恵太